未利用材で発電 日田の2社、来年から (大分合同新聞)
update 2012.12.01
再生可能エネルギー事業のグリーン発電大分(日田市)は、日田市天瀬町に木質バイオマス発電所を建設する。燃料には木材価格の低迷で林地に放置された未利用材を使う。同市で発電事業をしている日田ウッドパワーも、再生エネの固定価格買い取り制度(FIT)を活用し、燃料を建築廃材から未利用材にシフトする。いずれも林業者の所得向上や林地管理の改善につながり、林業の活性化に貢献しそうだ。
グリーン発電大分は出力5700キロワットの発電所を建設し、所内消費分を除いた5千キロワットを売電する。
敷地内には親会社の日本フォレスト(同市)が未利用材を燃料チップにする処理施設を整備。未利用材は周辺の森林組合などと連携して半径約50キロ圏内から調達する。年間7万トンが必要で、林業関係者からの購入費は5億~6億円を見込む。
12月に着工し、来年11月からの稼働を予定。発電所の投資額は約20億円(うち8億円は補助金)。未利用材の収集運搬や発電所運営などで80人を雇用する。
7月に始まったFITでは、木質バイオマス発電の売電価格は燃料(建築廃材、一般材、未利用材)で異なり、未利用材が最も高く設定されている。
グリーン発電大分の森山政美社長(日本フォレスト会長)は「FITも追い風にして、林業の再生と売電事業の成功を両立させたい」と意気込む。
日田ウッドパワーは、従来の新エネルギー利用促進法からFITに基づく売電契約に移行。来年2月から木質バイオマス発電所(出力1万2千キロワット)の燃料を未利用材中心に変える。燃料は半径100キロ圏内から集め、「森林再生や林業振興に貢献したい」考えだ。
木質バイオマス発電の新たな動きに、林業関係者は期待を寄せる。日田郡森林組合の江田邦光専務理事は「林業者の貴重な収入源になり、山の管理も行き届くようになる」としている。